福井県越前町の左右地区は崖に囲まれ、集落の裏手にある高さ100m近い崖ではハヤブサを見ることができる。春から夏はワカメ漁で忙しくなる。朝とったワカメを家族総出でその日のうちに干しあげる。海が穏やかで晴れた日は浜をワカメが覆い尽くす。漁に使うのは「板舟」と呼ばれるイカダ。作業時間に制限があるため、人々は一斉に漁場へ向かう。ワカメとりは昔から女性の仕事。林京子さんがワカメをとる様子を撮影させてもらった。ワカメの付け根にある房のような部分「めかぶ」は切らずに残すのが暗黙のルール。めかぶから胞子が出て新たなワカメが生まれる。人々が大切にする海は生き物も豊か。ツルモの周りは快適な住処となっている。海が荒れて船が出せなくなる12月頃になると、漁師や浜の人たちが冬の糧として育てているニホンズイセンが咲き乱れる。