12日日米合意に基づく80兆円規模の対米投資をめぐり、日本の赤沢経済産業大臣とアメリカのラトニック商務長官が会談を行った。会談後赤沢大臣は「隔たりがある」として、合意には至らなかった。トランプ大統領が去年4月に発表した相互関税の税率引き下げの条件として、2029年までの3年間で巨額の投資を行うと日米で去年の7月に合意していた。対米投資の第1弾として、「ガス発電」「原油積み出し港」「人工ダイヤ」の3つの事業が候補に上がっている。ガス発電は6兆円規模のプロジェクトになる見込みで、ソフトバンクグループなどが設計・建設を行いアメリカで急成長中のAI向けのデータセンターへ電力を供給するというもの。原油積み出し港はテキサス州やルイジアナ州が候補に上がっており、数千億円規模の事業となる見込み。日本の大手ゼネコンにも参加が呼びかけられている。人工ダイヤはダイヤモンド流通世界最大手のデ・ビアスグループの製造工場をアメリカ国内に建設し、日本企業などへの供給を想定しているもの。人工ダイヤは工業用として半導体基板の研磨や自動車部品の製造過程などで利用され、工業用の人工ダイヤの製造では現在中国がほぼ独占している状況。日本政府は半導体やエネルギーを中心に、経済安保上重要度が高い分野に投資をすると説明をしてきた。しかし野村総合研究所の木内登英氏によると、データセンターや原油は中国は独占しておらず政府の言う分野に該当しないという。人工ダイヤは現在中国が製造をほぼ独占しているが、アメリカに投資をしても日本企業に供給される保証はなく不透明だという。今回の対米投資は日本よりもアメリカの都合やメリットを重視していて、日本側にとってリスクの高い分野に投資させられる可能性があると木内氏は指摘している。こうした懸念に対し、赤沢大臣は「税金を使う部分もあるため、ハイリスクハイリターンな投資はしない」と強調した。高市総理は来月19日に訪米を予定しており、それまでに合意をすることを念頭に協議を継続するとしている。
