ITエンジニアの草薙さん。力を入れているのが北朝鮮のミサイル軌道の可視化。発射場所や高度・飛距離を確認した。以前は国家が独占してた情報だが一般市民も確認できる時代になった。草薙さんが可視化した軌道は250以上に及ぶ。草薙さんが感じる変化はミサイルの多様化。その中で可視化が難しいミサイルが2022年1月の極超音速ミサイル。音速の5倍のスピードで飛行し、最大の特徴は滑空。レーダーで捉えにくく迎撃が難しい。オランダのラルフ・サベルツベルク准教授は公開情報を元に検証を重ねてきた。北朝鮮が明らかにしたのは数枚の写真のみ。重要な手がかりを見つけ出した。着目したのはエンジンの構造。極超音速ミサイルには火星12型と同じエンジンが搭載されていると考えた。滑空のカギを握るのは先端。正確な大きさ・形が分かったことから空気抵抗・揚力を計算できる。また発生時を見てエンジンの加速度を計算することで推進力を導き出す。全ての情報を入力すると極超音速ミサイルとされる軌道が現れた。発射から4分後に滑空へ、8分後に日本海の目標地点に落下した。軌道は金総書記が示した軌道とほぼ一致。理論上だが極超音速ミサイルの能力を用いることがわかった。ミサイル開発には国運をかけて取り組んできた歴史がある。初めて目の当たりにしたのは1998年のテポドン1。周辺各国は警戒を強めていった。そして世界に強い衝撃を与えたのはICBM級のミサイル。