毎週土曜日あさ4時50分から放送している「テレメンタリー」は、政治・経済や事件などの社会問題から、伝統文化、個人の姿など、幅広い題材を深く掘り下げるドキュメンタリー番組。2024年10月5日に放送された「WITH YOUR LIFE~私にしかできない幸せの選択~」は、27歳で全身の筋肉が動かせなくなる難病「ALS」と診断された武藤将胤さんに密着。病気を知った上で結婚を決めた妻と共にALSが治る未来を目指して様々な挑戦を続け様子を伝えた。夫婦の深い愛情と葛藤を記録したこの作品は第30回アジア・テレビジョン賞の単発ドキュメンタリー番組部門で最優秀賞を受賞した。手がけたのは報道ステーションのディレクター時代から取材を続けてきた毛利哲也ディレクター。番組全体を統括する須田プロデューサーと共にスタジオで制作の舞台裏を聞いた。年間約50本の作品を制作。題材はANN系列24局が企画をプレゼンし、題材を全局で議論して決まる。後藤は「自分の琴線に触れたときに題材となる」などと語った。題材は企画書から生まれるのではなく、日々の撮影の中から生まれ、内容を深めるという。毛利の記憶に残る作品は武藤さんを最初に扱った2021年9月27日放送「NO LIMIT, YOUR LIFE」。須田の記憶に残るのは2020年4月12日放送「歌舞伎町 最後のキャバレー」。支配人・吉田康博さんの引き際を描き、ショーダンサー・歌手・ベテランホステスなど、時代を生き抜いた人々の哀愁を変わりゆく街の情景と共に切り取った。毛利は取材者に会いに行くと、自分がどんな思いで取材したいかなど、最初に自分のことを全て話す。作っている自覚と責任を持つことを大事にしている。台本は一切作らず、撮影できたもので構成していく。無理やり引き出すのではなく、事実をベースに作る。呼吸をするような自然な編集を心がけている。世界を動かすような作品を生み出すことが目標だという。テレメンタリーは毛利にとって「原点で初心を思い出させてくれる」、須田にとって「ドキュメンタリーの登竜門」だという。
