Newsモーニングサテライト・篠原デスクが現在の政治によるマーケットへの影響を解説する。先週、来年度予算案が衆議院を通過した。政府与党は予算の年度内成立に向けて躍起になっているが、2027年度の予算案に向けた大事な議論が本格化している。きょうのテーマは「2027年度へ複数年度予算と“ドーマー条件”」。複数年度予算はAIや半導体のような勝負どころに巨額の資金を数年かけてつぎ込むもので、戦略17分野がある。高市総理の問題意識の最も念頭にあるとみられるのは中国。中国は「5か年計画」に基づいて国家の優先分野に複数年にわたり巨額資金を配分し10-20年先の技術開発が可能になっている。アメリカの場合はインフレ抑制法やCHIPSおよび科学法がある。ドーマー条件は、名目成長率が名目金利よりも高い状態が維持できれば、財政赤字でも「政府債務残高対GDP比」は長期的に低下するという理論。日本成長戦略会議ではアメリカ議会予算局の「ダイナミックスコアリング」を参考にできないかという議論がされている。政府の投資がどれだけ成長と税収増をもたらすかのモデル計算。日本の名目成長率と長期金利(内閣府)では、金利が成長率を上回る時期が長らくあった。日本への市場評価が借金の額から投資の質へと変わるのではないか。夏の骨太の方針に向けて議論が本格化していくと思われる。
