埼玉県行田市のそば店「田丸屋」でまかないを見せてもらった。開花丼は豚ロース肉と玉ねぎをそばつゆで煮込んで卵でとじ、強火で固めてふわふわの玉子丼に。店では出さない裏メニューで、夜に向けた仕込みにスタミナをつけるためよく作っているという。乱切りのナスをごま油で素揚げにした田楽は、そばの実を味噌に加えたそば味噌をかけていただく。他には粗びきのそば粉に湯を加えて練ったそばがき。空気を抱いてぷちぷちと音がするまで練ってから湯に浮かべてゆでた。店主は4代目、店を継いで10年。あと3年で創業100周年を迎えると聞くと、とくに気負わず地元の人々とともに歩んでいきたい、節目の年にまた取材してくれるとうれしいと答えた。