太田川の特徴は瀬戸内海の潮の満干に大きな影響を受けることで潮が引くと川のあちらこちらに小さな干潟が現れる。引いていく水の中から現れたのはハマサジで海水に浸かってなくても生きることができる塩生植物である。こうした植物は塩分をためる細胞や排出する気孔など特別な仕組みを持っている。干潟から出てきたのはハクセンシオマネキで砂についた藻などの有機物を食べ、砂だけを吐き出している。太田川の干潟で一番多く見られるチゴガニなども見られた。干潟にチュウシャクシギの群れが南の越冬地から北の繁殖地に向かう渡りの途中で舞い降りた。カニの多い下流域は渡り鳥にとって羽を休める貴重な場所である。人の暮らしの近くに豊かな自然が広がる広島県太田川下流であった。
