技能実習制度の見直しの焦点の1つが転籍。現在の制度では認められていないが最終報告書のたたき台では一定の要件のもとで認めるとした。松山市にある食品メーカーでは5年前から実習生を受け入れている。現在約40人の実習生が働き麺類など製造ラインの中核を担っている。会社では安心して働ける環境も整備していて中古の戸建てを寮として7軒購入したという。冷蔵庫などの家電製品も提供する他能力に応じて1年ごとに時給を上げるなどしてきた。今回示された方針では1年以上勤務するなど一定の要件を満たせば転籍が認められる。原材料費・光熱費などが高騰し賃金を大幅にあげるのは難しいのが実情だという。一方実習生にとっても転籍先をどう見つけていくかという課題もある。ベトナム技能実習生の30代男性は先月退職したが転籍先が見つからずいまは知人に紹介されたシェルターで生活している。現在の制度では監理団体が同じ作業内容の会社を探す必要があるが男性の監理団体は転籍先を探しているが作業が細かく分けられ受け入れてくれる会社を見つけるのは難しいとしている。ベトナムに毎月薬代などの仕送りをしなければならず男性は焦りを募らせていた。最終報告書のたたき台ではハローワークなどの公的機関も転籍の支援を行うようにする案が出ている。転籍できる職種の範囲も現状より広げられる見通しである。