北海道・函館市にある旧相馬家住宅は国の重要文化財に指定されている。オーナーの東出伸司さんは、1万円から不動産のオーナーになれるという仕組みを手がけるのが不動産向けのクラウドファンディングなどを運営するスタートアップ、LEVECHY。通常、クラウドファンディングを使った不動産投資では投資家から集めた資金が運営会社自体に入り不動産を購入する形が多いが、この場合、運営会社が経営破綻すると銀行などの債権者が不動産を差し押さえるため投資家の資産である不動産が失われる可能性がある。一方、レベチーの仕組みでは投資家からの資金が該当の不動産を買うためだけのSPC(特定目的会社)に集まる形のため仮に運営会社が破綻しても投資家は不動産の権利を持った状態が保てる。このやり方で旧相馬家住宅を購入する資金を募り重要文化財を維持していく計画自治体も民間の仕組みで重要文化財を維持できることに期待を寄せている。函館市・大泉潤市長は、函館は文化財が非常に多い、所有者の中には高齢の人もいるなどと説明。実は、この重要文化財をレベチーに紹介したのが歴史的建造物の商業利用などを手掛けるバリューマネジメント。旧相馬家住宅の一部を彼らのノウハウで改修し宿泊施設に生まれ変わらせる計画もありその収益の一部が投資家への配当金になる。今後は全国に隠れているという維持するのが困難な文化財でこの仕組みを展開するねらい。