2002年にバリ島で起きた爆弾テロ事件では外国人を含め202人が犠牲になった。政府は2018年に法律を改正し、取り締まりを強化する一方、刑務所での受刑者の再教育に力を入れた。近年テロ事件は大きく減ったが、刑期を終えて出所した人の社会復帰が新たな課題となっている。ジャカルタ郊外のチビノン刑務所で今年5月、ジェマ・イスラミアの最高指導者だったパラ・ウィジャヤント氏が取材に応じ、警察の対応は想像と違ったと話した。ウィジャヤント氏は6月に釈放された。3年前に釈放されたキキ・ムハマド・イクバルさんは高校時代に過激思想に触れ、過激な組織に入ったが、刑務所に入ってイスラムの書物を読み比べ、心が変わった。現在、仕事は見つからず、幼稚園で働く妻の収入に頼っている。ジャカルタ西の山岳地帯では、元受刑者がコーヒーの栽培を行っている。支援を行っているのは国家警察の対テロ特殊部隊。