環境省が1978年に実施したツキノワグマ分布図と比べると2017年には約2倍に広がっている。人間は山を利用してきた。利用は50年間以上も見られず、一方で里山では過疎高齢化が進んでいる。2000年代に入るとツキノワグマの出没と人身事故などの軋轢が頻発するようになり大量出没という言葉が使われるようになった。気になることは多くの人身事故が集落や周辺の人の生活圏で発生していること。大きな課題はどのようなクマが、どのような時期に、何を求めて人の生活圏に来ているのかが未だに分からないこと。心配なことは集落周辺に仕掛けられる罠に大量に撒かれたエサは本来、関係のないクマを呼び寄せているかもしれない。悩ましい人材確保について。捕獲や環境整備の効果の科学的評価が求められるし、地域のクマ集団の継続したモニタリングも必要。そのためには専門的知識と技術が求められ公的な身分を持った職員の配置が必要。国・都府県・大学などの教育機関が連携し計画的な人材育成プログラムの創出が求められる。最も根本的考えとして過疎高齢化はこの先も収まらない。人口縮小を前提に地方を再編していくスマート・シュリンクが野生動物管理のカギを握る。最後にクマ対策についての正しい普及啓発がないまま必要以上の恐れがまん延していることが心配。今年、東北全体でクマ目撃情報が増えている。情報収集システムの関心が高まったこともあるため、人身事故数・許可捕獲数・時期別の比較も重要。
