先月30日、政府効率化省を率いてきたイーロン・マスク氏が任期を終えるにあたり、トランプ大統領と会見に臨んだ。今後もホワイトハウスへの出入りは自由との意味を込めた金色の鍵をトランプ氏から受け取ったマスク氏は「私の特別政府職員としての時間は必然的に終わりを告げなければならない」と笑顔を浮かべた。関係筋によると、辞任発表前にトランプ大統領と正式な話し合いはしていないという。また、マスク氏はCBSのインタビューでトランプ氏肝いりの税制・歳出法案が政府効率化省の取り組みを阻害すると批判した。一方、トランプ氏をめぐって「TACO」という造語はフィナンシャル・タイムズ紙の記者が考案したもので、「Trump Always Chickens Out(トランプ大統領はいつも尻込みをする)」の頭文字を取って投資家の間では「TACO理論」と呼ばれている。これを聞いたトランプ大統領はトランプ関税を皮肉られ怒りをあらわにした。さらに、トランプ関税に司法の壁が立ちはだかっている。アメリカの国際貿易裁判所は先月28日、緊急事態として発動した大部分の相互関税を「大統領の権限を逸脱している」として差し止めを命じた。翌日、トランプ政権が判決を不服として上訴。連邦控訴裁判所は政府の要請を受け入れ、関税の差し止めを一時的に停止するよう命じた。控訴裁の判断を受け、訴訟が進行中の間は関税措置は維持される。次回の審理は来月5日に行われる予定。
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