72歳の山本さんは3年前、前立腺に直径1cmのがんが出来ているのが見つかった。山本さんが選んだのはフォーカルセラピーという治療法。フォーカルセラピーは、健康な臓器に影響を与えず、がんができた部分だけをピンポイントで治療する方法。器具から強力な超音波が照射され、まるで虫眼鏡で一点に光を集めるようにがん細胞とその周辺のみに約100℃で照射されがん細胞が熱凝固などの作用で死滅する。泌尿器科の医師、小路直さんは「お尻から入れても周りの臓器にほとんど影響することがなく前立腺の内部だけにそのエネルギーを照射できる」などと話した。およそ50分で手術は終了。山本さんのMRI画像でがんが壊死したことが分かった。山本さんは手術翌日に退院し「全然痛みはなかった。退院して家に帰っても普通の生活」などと話した。小路直さんは「前立腺がんは放っといていいがんではない。悪性度が低ければ無治療になることもあるけれど多くの方が治療を必要としている。まず勇気を持ってPSA検査を受けて早く見つかればいろいろな治療の選択肢がある」などと話した。