池田誠一解説委員が解説。フリーランスとして働く人が安定的に働ける環境を整備するための法律があす施行される。働き方の多様化が進む中で、特定の企業や組織に所属しないフリーランスの人たちは全国で462万人に上るとみられている。今回の法律では業務委託する事業者の側が業務内容や報酬額など取引条件を書面やメールなどであらかじめ示すこと、業務を終えて60日以内に報酬を支払うことなどを義務づけた。事業者に対して弱い立場になりやすいフリーランスは慣習的に口約束で業務が委託されることも多く、そのことが報酬の不当な減額や不払いなどの温床になるという構図があった。フリーランスの団体による調査では、 回答した人のうちパワハラを経験した人がおよそ6割、セクハラを経験した人がおよそ4割に上り、業務に影響するのを恐れて泣き寝入りするケースも少なくなかったという。このため今回の法律ではハラスメントの相談体制などの整備や、育児や介護との両立に配慮することなども事業者側に義務づけられた。国の調査では事業者側、フリーランス側ともに法律の内容をよく知らないという人が半数以上に上っている。事業者側は違反すれば国による指導勧告命令の上、事業者名の公表や50万円以下の罰金などが科される可能性もあるので、違反する慣習などは今すぐ改めなくてはならないし、国は違反した事業者をきちんと取り締まることを通して今回の法律がこの盾のようにトラブルなどを未然にすぐ抑止力としてきちんと機能するよう取り組む必要がある。