ノースカロライナ州アッシュビルで殺人事件が発生。シングルマザーのベティ（21歳）は娘ヘザー（2歳）、ヘザーの祖母マーガレット、祖父カールと暮らしていた。ベティは夜、両親にヘザーの世話を頼んで24時間営業のドーナツ店で勤務していた。しかし、この日、ベティは帰宅せず、マーガレットはベティの勤務先などに問い合わせた。ベティの友人によると、ボウリングの約束をしていたが、ベティはボウリング場に現れなかったという。その後、ベティはフレンチブロード川付近の沼地で目覚め、付近の民家まで移動した後、「2人の男 お酒 バイバイ」というダイイングメッセージを残して死亡した。
地元警察はベティが何者かに殺害されたとみて捜査を開始。ベティが身分証を持っていなかったため身元が不明で、捜査官はベティの最期を看取った夫婦から話を聞くなどした。犯行現場は沼地だと推測された。一方、犯行現場から3km上流で川に沈みかけている車が発見された。車両ナンバーから所有者が特定され、車の持ち主がベティだと判明した。
警察は身元確認のためベティの両親に連絡した。また、検視結果が出た。ベティは刃物で胸部を4カ所刺されていた。警察は捜査官を増員し、捜索範囲を広げるも犯人に関する手がかりは得られなかった。
20年が経過。ある日、ノースカロライナ州の病院に重度のアルコール依存症で入院していたジェリーが、ベティ殺害事件の真相について告白。看護師は地元警察に通報。捜査官アンは、病院からジェリーを呼び出して話を聞いた。ジェリーによると知り合いのテリーが真犯人という。車を走らせていた時、すれ違いざまにベティの顔を確認したテリーは、車をUターンさせて追いかけ、殺害したという。ジェリーは、ベティ殺害犯がテリーだと知りながら、報復を恐れて、警察に話すことができなかった。
テリーは現在もアッシュビルに在住していた。アン捜査官はテリーの家を訪れ、関係ない事件の任意聴取を行いたいと申し出た。テリーは、20年前の殺人事件の捜査ではないと油断し、髪の毛や指紋を提出。その後、アン捜査官はテリーに、「20年前のベティの衣服から犯人の指紋が採取できた」などの作り話などをしたところ、テリーはベティ殺害を自白。テリーは逮捕された。
事件の真相を紹介。ベティがドーナツ店からボウリング場に車で向かっていた時、テリーはジェリーとドライブしており、対向車線を走っていたベティを見つけ、走行中のベティの車に追突して車を停止させた。テリーはナイフで脅迫し、車に乗り込むと沼地へと向かった。そして沼地での「あんたの言うこと聞くくらいなら死んだほうがマシよ」のベティの一言がテリーの怒りに火をつけ、殺害を決意させた。「バイバイ」はベティ殺害時にテリーが言い放った捨て台詞だった。それからテリーはベティの車を川に遺棄し、身分証と財布を奪った。一方、ベティは目覚めると助けを求めて移動。しかし、呼吸困難となり、ダイイングメッセージを残して死亡した。
判決の結果、テリーは第一級殺人で有罪となり、死刑が宣告された。