パラカヌーの小松沙季は競技を始めて僅か半年で東京パラリンピックに出場した経歴を持ち、期待の新星と注目された。小松の専門種目ヴァーは、片側に浮き具がついたカヌーで200メートルのタイムを競う。小松はかつてバレー選手としてVリーグ(ブレス浜松)で活躍。コーチへの新たな道に進んだ矢先、突如両手足にまひが生じ車いすの生活を余儀なくされた。失意の中、海のある地元、高知県でできるパラカヌーに出会った。異例のスピードで出場した東京大会は準決勝で敗退。「後半きつい、本当のどから血の味がしそうなくらい、そこをなんとか出し切れるようなメンタルを鍛えつつトレーニングしてます」と話した。パリ大会までおよそ4か月、出場権がかかるレース前の最後の実戦、アジアパラカヌー選手権。今回、小松はこぐ回数を減らすという挑戦をした。2位でゴール。今週行われるハンガリーでの世界選手権が、パリへの切符をかけた大一番。小松は「必ずとらなきゃいけないと思ってるし、東京パラがセミファイで敗れたのでなんとかファイナルに上がりたいなと」と話した。