日本でもデフリンピックが行われ、手話など耳の聞こえない人への支援にも関心が寄せられる中、ミュージカルに手話通訳が設けられる試みも行われている。ミュージカル『SIX』はヘンリー8世の元妻たち6人が壮絶な人生を歌い上げる物語となっている。手話を担当するのは田中結夏さんでセリフだけでなく効果音も手話で表現していて「お客さんが通訳を見たときに一緒になって作品の世界に入り込んでくださるような そう思っていただくには劇場のアクセシビリティーが重要」と話した。演劇学校でろう者と出会ったことで聴覚障害の人も楽しめる事が必要だと考えるようになり、約4年前から舞台手話通訳に取り組んできた。翻訳の土器屋利行さんとも英語のニュアンスで意思疎通を取る様子が見られ、手話観衆をつとめ自らもろう者の江副悟史さんとも手話を確認していった。手話サポート付き公演は2度だったが、100席近くがすべて完売する形となり、田中さんは全身を用いて世界観の表現を行った。ろう者の方からも「今までは雰囲気で楽しんでいたのですが今回は内容もみんなと一緒に知ることができてよかったです」との感想が寄せられているが、田中さんは「役者の演技とかをありのまま届けていくようなフィルターになれたら」と話している。