争点のひとつとなっている治安対策だが、現地ではある動画が注目されている。運転中の女性が、バイクに乗った2人組に突然窓ガラスを割られ、携帯電話を奪われる。ブラジルでは、こうした事件が相次いでいて、ケガをするケースもあり、取材する日本人も被害にあっている。専門家は、こうした体感治安や、インフレの高止まりによる生活実感の悪さが、治安対策を訴えるフラビオ氏の支持を広げ、追い上げを図るルーラ氏の逆風になっていると指摘している。西半球を重視するアメリカのトランプ政権にとっては、大きな成果といえる。麻薬対策や安全保障の分野で連携を深めることができるから。南米ではコロンビアやペルーなどで、右派やアメリカとの連携強化を打ち出す政権が、大規模選挙で勝利してきた。経済規模や人口が最も大きいブラジルも右派になれば、南米の主要国は右派かつアメリカ寄りになる。専門家は、最大の貿易相手国中国との関係は維持されるものの、ルーラ氏が進めてきた国連や多国間主義を重視する外交姿勢は変化すると指摘する。南米の大国ブラジルのリーダーが右派と左派、どちらになるのか。
