3年ぶりの日本人受賞となるか。ことしのノーベル賞受賞者の発表が始まった。ノーベル賞の選考委員会は、ことしの生理学医学賞の受賞者に、米国マサチューセッツ大学・ビクター・アンブロス教授と、ハーバード大学のゲイリー・ラブカン教授の2人を選んだと発表。2人は「線虫」という小さな生き物が成長する際の遺伝子の活動を詳しく解析し、「マイクロRNA」という分子が遺伝子の働きを制御していることを突き止めた。その後の研究で、マイクロRNAは、ヒトでも遺伝子の働きを制御していることが分かり、現在ではヒトのDNAには1000を超えるマイクロRNAが存在していることが分かっている。マイクロRNAの働きが異常になると、がんの発生につながる可能性も指摘されているほか、臓器や骨が形づくられる際に異常が起きることも明らかになった。選考委員会は、2人の功績について「ヒトを含む多細胞生物にとって不可欠である、遺伝子制御の全く新しい原理を明らかにした。生命体がどのように発達し、機能するかにおいて、マイクロRNAは根源的に重要であることが証明されつつある」と説明。ノーベル賞受賞者の発表は、来週14日まで続く。あすは物理学賞。