ミャンマー国境を接するタイ北部チェンライの山岳地帯にあるミャンマー軍と少数民族武装勢力の支配地で行われているレアアースの採掘現場。タイメディアなどによると今年に入り中国系企業が開発を始めたと見られる。ハイテク機材に欠かせないレアアースは、中国が世界の供給網をほぼ独占している。産出量が世界3位とされるミャンマーのレアアースは殆どが中国に輸出されている。米シンクタンクなどによると複数の少数民族武装勢力が資金源にしようと各地で開発が拡大しているという。無秩序な採掘による鉱害が問題でタイやラオスなど周辺国にも影響している。メコン川の支流でヒ素や鉛などの有害物質が検出されていて、最大で基準値の5倍になっているという。タイ メーファールアン大学のスーブザグン講師は「発生原因は他にも考えられますが、大きな要因は鉱山だと言えます」などと指摘した。タイ北部ではこのままでは農業が壊滅的な状況になるとの危機感が広がっている。レアアースを巡っては中国が輸出規制を強化したことでアメリカとの貿易摩擦が激化。今後各国の争奪戦で環境への影響が更に広がることが懸念されている。
