今回の日米首脳会談をどのように受け止めたのか。トランプ大統領は石破総理大臣のことを「タフだがナイスガイだ」と評した。かつて安倍元総理大臣に対してもタフな人物などと評していて、ディールを重んじるトランプ氏からすればタフだ手ごわいという言葉は敬意の表れ。また、貿易赤字の問題で日本にどのように改善を迫るのかが注目されたが、「関税についてはあまり話さなかった」と述べ、少なくとも今は関税を駆使するより国内のエネルギー産業に投資を呼び込むといった実利をとることに狙いを定めているよう。トランプ大統領は昨夜のスピーチで「日本のことは好きだが、USスチールは最も優れた企業の1つであり買収だけは認められない」と改めて述べた。買収に反対する姿勢は変えていないよう。一方で会見の場では「自分が仲裁する」とも述べ、計画の着地点を見いだすために手をかそうという姿勢を示した。これで計画の実現性が高まったのかはまだ分からない。ただ、この問題に関与する態度を取った背景には仮に計画が前進しUSスチールが拠点を置く東部ペンシルベニア州で雇用の維持、拡大につながれば、みずからの成果になるとの計算もあるのだと思う。当面はトランプ大統領と日本製鉄の幹部が行うとされる、来週の話し合いの行方に関心が集まりそう。