今年の春闘は強気の姿勢が見られる。550万人の働き手を有する自動車業界では、本田技研の労働組合は総額2万円の賃上げを要求する方針で、これは32年ぶりの高水準であるとともに実現すれば5％超の賃上げとなっている。消費者物価が2.5％となる一方で実質賃金は20カ月連続でマイナスの状況が続いていて、去年の3.6％を上回る3.8％の賃上げを実現する必要があるとみられる。政府は鍵となるのは人件費を上乗せするための価格転嫁・値上げだとして、製造業など価格転嫁が進んでいない22業種を名指ししている。これに対し、従業員8人で家具を製造しているヨコヤマ社は月6000円・2％弱の賃上げを予定しているが、お客さんに値上げをお願いするのもいかがなものかと悩む様子を見せていた。