ラグビーの日本代表はあす、ことし最初のテストマッチとしてイングランド代表と対戦する。選手たちはきょう雨の中、試合会場となる国立競技場で前日練習に臨んでいた。9年ぶりに日本を指揮するエディー・ジョーンズでヘッドコーチの思いに迫る。2015年のワールドカップ南アフリカ戦で世紀の番狂わせといわれた勝利をもたらした名将は、いまチームをどう変えようとしているのか。ジョーンズヘッドコーチは「日本のラグビーは転換点にある。日本の運命を変えるために選んだのが“超速ラグビー”だ」など話した。超速ラグビーは、日本の強みであるスピードを磨き上げ、体格やパワーで上回る相手を翻弄するのが狙いである。求めるのは、動きの速さだけではない。選手一人一人の判断も早くして、チーム全体でスピードアップを目指している。合宿ではプレーが切れるたびにジョーンズヘッドコーチが指定したシチュエーションから再開。素早い状況判断から、スピードを生かした得意のスタイルに持ち込む。直前の宮崎合宿で超速ラグビーの精度を高めてきた。ジョーンズヘッドコーチは「精度の高いプレーを見せてほしい」などと話した。指導にあたって日本代表・エディー・ジョーンズヘッドコーチが意識してきたことは、選手たちに自信をつけさせることである。かつては有無を言わさぬほどの厳しい指導で知られたジョーンズヘッドコーチ。しかし9年たった今、かつてのような厳しさだけでは若い選手はついてこないと、指揮官として気持ちを前向きにするコミュニケーションが大事だと考えている。宮崎合宿初日のミーティングで、ジョーンズヘッドコーチは雑誌を取り出し、選手たちに「2027年11月、ジャパンのチームの集合写真が表紙を飾るようにしたい」と語りかけた。日本代表・原田衛選手は「載りたい」などと話し、ジョーンズヘッドコーチは「命令するというよりは、導いていく」などと話した。若い力を引き出し、世界のベストフォーを目指す。ジョーンズヘッドコーチの下、新生日本代表が明日初戦に臨む。ジョーンズヘッドコーチは「イングランドを打ち負かしたい」などと話した。日本はイングランドに去年のワールドカップも含めて11戦全敗。あすは自信を持って超速ラグビーでの初勝利を期待したい。