ナ・ワイ・ホノ・イ・テ・ポ・パキ氏がマオリ族の新女王に選ばれた背景についてスタジオ解説。現地のメディア(1news)によるとこのナワイ女王にはテ・アリキ・タマロア・ワトゥモアナ氏とテ・アリキ・トゥルキ・コロタンギ氏という2人の兄がいる。一般的にマオリ族の王は長男から選ぶ傾向があり、今回このナワイ女王が選ばれたことは意外な選択とデイリーメールは報じている。ナワイ女王が後継者に選ばれた理由はマオリ族の文化が関係している。共同通信によるとマオリ族は人間はもちろん山や川、鳥といった現世にある全てが大地の母から生まれたとする考えを持っていて、人間にとって自然は親やきょうだいと同じような関係。こうした文化と自然を守るためマオリ族は、神聖視する山や川に法的人格を認める法律をニュージーランド政府に制定させている。山や川が法律上人として扱われ、環境汚染などが起きた場合は被害が人間に及ばなくても自然自体が害を被るのであれば汚染を起こした相手に訴訟を起こすことができる。ロイター通信によるとニュージーランドはマオリ族の権利や文化を尊重する政策を盛り込んだワイタンギ条約をマオリ族と締結。しかし去年10月の総選挙の結果政権交代をし、ニュージーランド航空のCEOなどを務めたラクソンが首相に就任すると状況が一変。新政権はワイタンギ条約の運用見直しやマオリ族への支援縮小を打ち出した。こうした中ワシントンポストによるとナワイ女王はマオリの文化研究に携わり、ワイタンギ条約締結地の保護活動にも力を入れていて、マオリ族の文化について信じられないほど豊富な知識を持っている。そこが評価されている。ナワイ女王の就任についてマオリ文化の専門家は「AI(人工知能)、地球温暖化、その他多くの社会変化がマオリ族の存在を脅かす時代に、人々を導く若いリーダーシップが切望された」とAFP通信の取材に答えている。選ばれた意外な選択の背景にはマオリ族の文化を深く理解しているということがあった。マオリ族と接したことがあるという吉永さんは、「森を大事にしていて、自然と共生している人たちで、意識は高い」などとコメントした。末延さんは「先住民が共存できているのはすごい」などとのべた。