ワタミグループのコメ生産について、データサイエンスの専門家・西内啓氏が解説する。近年の日本の食料安全保障リスクを意識した動きとして見るべきである。背景には農家の高齢化や耕作放棄地の増加に加え、円安によって「足りなければ海外から買えばいい」という従来モデルが通用しにくくなっているという現実がある。外食産業として自社調達比率をいかに高めるか、それによって価格変動リスクと供給不安の両方に備えようとしている。ワタミは20年以上前から農場を展開していた。有機農業を展開する「ワタミファーム」を持ち、6次産業モデルを進めてきた。食材調達から販売までを自前で持つという戦略を強化した形。近年のワタミは“総合的な食のインフラ企業”を意識している。将来的にワタミの米という形で輸出するところまで視野に入れている点は象徴的で、日本食ブームや高品質な米の需要を背景にブランド化された高付加価値の輸出を見据えている可能性がある。これからの時代は、調達がコスト管理だけでなく企業戦略そのものになっていくのではないか。ワタミの動きはサプライチェーンそのものを経営資源として持ち始めたという動きとしてみると、時代の変化を感じるニュースである。
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