BRICS=新興5か国の一角として世界から注目される南アフリカで今日、総選挙が行われる。今回結果を左右するとされているのが、その多くが格差に苦しめられている若い世代だ。アフリカ有数の経済大国、南アフリカ。ところが、いまも国民の6割が貧困ライン以下で暮らしている。新型コロナ以降、貧しさに追い打ちをかけられた市民による略奪が横行した。南アフリカの失業率は30%超。若者らは仕事がなく、犯罪を重ねているという。南アフリカでは30年前、アパルトヘイトが撤廃され、1994年マンデラ政権が誕生した。以来、与党ANCが政権を維持してきたが、今も格差は解消されないまま。今回の選挙で与党ANCは初の過半数割れする見通しが強まっている。アパルトヘイト撤廃後に生まれた若い世代は政治的に自由なボーンフリー世代と呼ばれ、人口の半分に上るが、政治不信を強めている。こうした世代から支持を集めるのは政党「経済的解放の闘士」。白人の土地の強制収用など過激な公約を掲げ、世論調査では支持率は民主同盟に続く。希望の選挙から30年、若者の選択が注目される。