きょう紹介するのはあさって行われる「日本アカデミー賞」の特別企画、5日間にわたって優秀作品賞の候補作の魅力に迫る。これまで多くの実力派俳優や作品を表彰してきた映画の祭典「日本アカデミー賞」。注目は1年を代表する作品が選出される「優秀作品賞」。5作品の中から栄冠に輝くのはどの作品か。きょう紹介するのは「PERFECT DAYS」。「米アカデミー賞」の「国際長編映画賞」にノミネートされ、受賞が期待される本作。主演・役所広司さんはこの作品で「カンヌ国際映画祭 最優秀男優賞」を受賞する快挙を果たした。映画で描かれるのは公共トイレの清掃員・平山の日常。朝起きてはを磨き、植物に水をあげたら仕事場へ。1日の締めには銭湯で疲れを癒やし、仲間と一杯。日々のルーティンから些細な幸せが描かれるヒューマンドラマ。平山の人柄は無口で真面目。寡黙な男の役作りはドイツの名匠、ヴェム・ヴェンダース監督と作り上げたそうで、「セリフの少ない主人公は初めて。与えられたセリフや動きをやるより生活しているように演じる」と話す。役所さんにとって撮影方法も初めてのスタイルだったそうで、「テストがなくて、監督は本番だけを撮るやり方。NGとは言わない。これも初めての経験」などと話す。リハーサルや撮り直しがない常に本番という異例の撮影。トイレ清掃員として黙々と生活する姿をドキュメンタリーのように長時間撮影し、映画が完成した。そしてヴェンダース監督は日本のトイレ清掃員をテーマにした理由について「ヨーロッパは日本よりもトイレ清掃員への敬意がない。身分の低い職業だと思われている。平山が誇りを持って清掃している姿は気高く感じた」と話す。ヨーロッパのトイレ清掃員に対する社会意識を変えたいという願いが込められている。あすは「福田村事件」を紹介する。