動物や人類の進化を研究してきた菊水氏は、人間の性欲を変えたきっかけは二足歩行にあると話した。440万年前のアフリカに暮らしていた二足歩行をした最古の人類であるラミダス猿人は、女性の骨盤が変化し産道が狭くなったため赤ちゃんを未熟な状態で産むようになった。未熟な赤ちゃんを育てるため、それまで発情期にしか行わなかったセックスを日常的に行うことで絆を強めていったと考えられている。1万年前の遺跡から出土した石像「アインサクリの恋人」は、セックスをしている様子だと解釈され関係性を深める象徴だったという。石像が作られた頃、人類は農耕によって食料を得たことで自由な時間を手にしていた。イギリスのヴィンドランダ遺跡からは男性器を模した木製品が見つかった。快楽を求めるために使われたと考えられている。