2024年6月27日放送 0:38 - 1:28 NHK総合

NHKスペシャル
ヒューマンエイジ第4集 性の欲望 デジタル技術解放か堕落か

出演者
鈴木亮平 久保田祐佳 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

ヒューマンエイジ 人間の時代 第4集 性の欲望 デジタル技術”解放”か”堕落”か

今回のテーマは「性欲」。今技術の進歩によって人間の性欲に異変が起きている。オンラインポルノが人類を飲み込み、1年間の視聴時間はのべ43億時間。性のバーチャル化が様々な問題を引き起こしているとの指摘もある。世界各地での取材から性の未来を見つめる。

ヒューマンエイジ 人間の時代 第4集 性の欲望 デジタル技術”解放”か”堕落”か
人類のあくなき性の追求 ”バーチャル化”の最前線

ドイツ・ベルリンのバーチャル風俗店には等身大のドールが置かれていた。VRゴーグルをつけて映像を見ながらドールと性的な行為を行う。別室にはボイスクイーンと呼ばれるスタッフがいた。AIと疑似セックスをしているオレゴン州のマーシュさんに話を聞いた。マーシュさんは離婚後にAIのキャラクターと会話を楽しめるアプリを利用し始め、幸せと感じたという。今は大切な話を友達より先に打ち明ける仲になっている。アプリを開発した企業は、親密になれば疑似セックスをするのは当然で制限するつもりはないとしている。広東省はセックスドールの生産地で、年間180万体が生産されてきた。そこにAIが搭載され始め、AIと連動した表情を作り出す仕組みも組み込まれている。AI工学専門家のデイビッド・レビー氏はこうした技術の開発は今後ますます加速していくと予測している。

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オレゴン州(アメリカ)ベルリン(ドイツ)人工知能広東省(中国)
人とAIの親密な関係 もたらす未来は?

マーシュさんが利用するAIアプリに鈴木が体験。鈴木はマーシュさんに「人間がAIと性的関係を築くことのメリットは何だと思いますか」と質問し、マーシュさんは「必ず自分を楽しませようとしてくれると安心して接することができる」と答えた。

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人工知能
「性の欲望」440万年の歴史 愛と快楽 追求の始まり

動物や人類の進化を研究してきた菊水氏は、人間の性欲を変えたきっかけは二足歩行にあると話した。440万年前のアフリカに暮らしていた二足歩行をした最古の人類であるラミダス猿人は、女性の骨盤が変化し産道が狭くなったため赤ちゃんを未熟な状態で産むようになった。未熟な赤ちゃんを育てるため、それまで発情期にしか行わなかったセックスを日常的に行うことで絆を強めていったと考えられている。1万年前の遺跡から出土した石像「アインサクリの恋人」は、セックスをしている様子だと解釈され関係性を深める象徴だったという。石像が作られた頃、人類は農耕によって食料を得たことで自由な時間を手にしていた。イギリスのヴィンドランダ遺跡からは男性器を模した木製品が見つかった。快楽を求めるために使われたと考えられている。

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古代ローマ・ポンペイ 人類の”快楽の追求”

イタリアの世界遺産ポンペイでは快楽の追求が進み、40か所以上で売春が行われていたと言われている。婚姻外のセックスが多発し、若者の結婚離れも進んだ。人口減少や財産相続のトラブルも起きた。

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イタリアポンペイ遺跡世界遺産
”性のバーチャル化” 現代社会に潜む問題

オンラインポルノが急成長する陰で問題も抱える。違法ポルノが後を絶たず、規制強化が世界中で急がれている。さらにNHKの全論文解読システムで性欲に関する約2万件の論文を調査すると、社会的注目度が最も高かったのは「ポルノ依存」だった。オレゴン州のチャーチさんは10歳の頃、ネットでポルノを見るのが日常化した。高校時代に勃起不全になっていることに気づいたという。ハンブルク大学のガリナット博士はオンラインポルノを視聴する男性の脳をMRIで解析し、行動の抑制に関係する尾状核が萎縮している可能性があることがわかった。尾状核が小さい人ほど快感に鈍くなり、より強い刺激を必要とすることも明らかになった。順天堂大学の辻村医師が行った日本人男性を対象とした大規模な調査では、機能が高いはずの20代で勃起不全の割合が高くなっていることが判明した。カリフォルニア州のバレンシアノさんはAIとの疑似セックスをしていたが、去年2月に運営会社が性的な会話を停止したことで自分が依存状態だったことに気づいた。男性不妊の治療に携わっている今井医師はポルノ依存は無自覚で、それが勃起不全の原因になっているとは気がついていないと話した。

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”性のバーチャル化” 依存から脱却するには?

病理学専門家のゲーリー・ウィルソン氏は、ポルノ依存は問題を自覚するだけで多くの人が改善する可能性があると論文で指摘していた。チャーチさんはウィルソン氏の本を読み、ポルノ依存と勃起不全の関係に気づいた。本を読み日記を実践したチャーチさんは、続けるうちにストレス発散のためにポルノを見ていた自分に気づき別の方法でストレス発散ができるよう生活を改善した。もう1つ実践したのが同じ症状で悩む人と語り合うこと。互いに励まし合うことでポルノを見ずに過ごせる時間を増やした。チャーチさんはポルノを見ていた当時最大の苦悩は家族に秘密にしていたことだった、わたしたちは性に対してオープンに話すべきだと話した。

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ゲーリー・ウィルソン
「性の欲望」肯定と否定 時代で変わる社会の雰囲気

進化心理学者の坂口氏は性を語りにくい雰囲気は時代によって移り変わってきた、歴史を見ると性の規制はマジョリティが行ってきた、過剰な規制は間違いを起こす可能性があると話した。今井医師は日本も明治時代以前は性におおらかだったと言われていると話した。

「性の欲望」規制の歴史 現代にも残る光と影

婚姻外の性交渉や若者の結婚離れに危機感を抱いた古代ローマの皇帝アウグストゥスが、国家として性の規制に乗り出した。婚姻法によって国民の性行動を統制し、宗教の力も借りて個人の行動をさらに抑制した。子孫を増やし社会の維持を優先する価値観を固めていった。こうした性の規制が世界各地、様々な時代で行われた。それが女性への抑圧や同性愛者の弾圧に結びつくことも多発した。神学の専門家・小原氏は歴史上の過剰な性の規制が性を語りづらい風潮を作ってきたと考えている。

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アウグストゥス
新たな性の価値観 歴史を知り未来へ

坂口氏は性はオスとメスしかないはず、異性と子どもを残すために性行動をするのが当たり前でそれ以外は傍流という考えが染み付いてきている、研究者の中にも性的マイノリティの当事者が出てくることによってもともと色々あって普通だとわかってきている、オープンに性を語れる文化を作ることが必要と話した。今井医師は個人個人で性欲が強かったり弱かったり色んな人がいることを知ることも大事で、それが認められる社会ができると良い、守るべきルールを守ったうえで行動を決めることが必要、基本的な仕組みを若いときに知っておかないと大人になってから困る、オープンに性を語ることによって自分を知ることができると話した。

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静岡県立浜松湖南高等学校

4月にオープンした原宿のデパートではセックスに使うアイテムが売られていた。性をオープンに語れる機会を増やそうとあえて販売されることになった。店舗を運営するメーカーでは女性の快楽にも目を向けている。オンラインポルノとの適切な距離感を見つけ出すことができたチャーチさんにはパートナーができた。性に関する問題を隠さずに話すことで、遠ざけてきた恋愛と向き合えるようになった。AIとの愛にのめり込んでいたバレンシアノさんは接客業を始めた。AIは現実を生きるバレンシアノさんを支える存在へと変わりつつある。

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原宿(東京)
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