2024年6月20日放送 0:35 - 1:25 NHK総合

NHKスペシャル
ヒューマンエイジ 第3集・食の欲望 80億人の未来は

出演者
鈴木亮平 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

ヒューマンエイジ 人間の時代 第3集 食の欲望 80億人の未来は

膨張し続ける人間の食欲は数百年で地球の陸地の4割を農地に変えた。人間は自らの欲求に気づき立ち止まることができるのか、今回は食への欲求に迫る。

キーワード
メキシコ香港(中国)
ヒューマンエイジ 人間の時代 第3集 食の欲望 80億人の未来は
”希少な食”を求め 地球の隅々へ 際限なき人間の食欲

アメリカの富豪・スティーブ・プロトニッキは世界各地の希少な食材を使った料理を探し歩くことに情熱を注いでいる。SNSを通じて知り合ったフーディーたちとイタリアの辺境の地にある三つ星レストランを訪れ、この土地でしか手に入らない食材で作られた料理を味わった。質素な食材から最高の料理を作ることが興味深いと語った。

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フーディーマイアミ(アメリカ)ミラノ(イタリア)ルーチョペルカ
豊かに見えて実は…無自覚に進む”食の異変”

生態学者のロブ・ダンはマンハッタンのアリを採取し人間の食の真実を掴んだ。繁華街のアリは人間の食べかすを主食とし、体のほとんどはトウモロコシ由来の炭素でできていた。ダンは人間はこの100年で限られた食物に頼るようになった、アリに起きた変化はその証拠だと語った。ブラジル・サンパウロの工場ではトウモロコシから異性化液糖や加工デンプンを作っていた。異性化液糖はジュースの甘味料などに使われ、劣化しにくく保水力をもった加工デンプンは長く保存してもしっとりしたケーキを食べたいという人間の欲求を叶えている。

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アリサンパウロ(ブラジル)トウモロコシニューヨーク(アメリカ)ノースカロライナ州立大学ブロードウェイ
80億人の食の欲望 突き進む”食の単一化”

人間は80億人を支えるために食の単一化によって食料を生み出す技術を発展させてきた。トウモロコシの胚乳からでんぷん、胚芽からは油を抽出。ハンバーガー店ではパテの炭素は50%以上、チキンナゲットは40%、ミルクシェイクは80%がトウモロコシ由来だった。サーモンのエサは大豆に頼るようになっている。人間は1万種を超える植物からカロリーを摂取してきたと言われているが、今はトウモロコシと大豆に深く依存している。

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サーモントウモロコシ大豆
80億人の”食の単一化” 地球を作り替える 欲望の力

ブラジルのセラードには大豆の耕作地が広がっている。ブラジルの年間生産量は1億5000万トンで、世界の消費の4割を1国で担っている。1970年代に食糧事情を賄うため土壌改良が始まり、その開発は今も続いていた。セラードの様子を監視するブラジル国立宇宙研究所の責任者は2022年と2023年を比較すると環境破壊が大きく進んだ、近年の開発スピードはこれまでにないものだと語った。セラードは雨を大地に取り込む水源地で3000種以上の動物が棲息する生物多様性の宝庫だったが、この20年で川の水量は14%も減少していた。300年前、世界では全体の5%ほどが農地だったと言われているが、300年で8倍に増加し地球の陸の4割が農地に変わった。人間が行動を変えなければ将来生物多様性が現在と同じ速度で減少し続けることがわかっている。

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セラードブラジル国立宇宙研究所大豆
”食の単一化” に突き進む人間 引き金になった数奇な歴史

第二次世界大戦で兵士の保存食を求めたアメリカは、大量生産が可能な作物から効率的にエネルギーを摂れる食品の開発を目指した。軍は食品会社と1本で1日に必要なエネルギーの3分の1を摂取できるチョコレートバー「Dレーション」を開発した。その後レトルト加工の技術を開発すると、1960年代には民間企業がビジネスチャンスを見出した。加工食品は衛生面でも安全なことから、食糧支援にも利用されてきた。こうして食の単一化を前提とした加工食品が一般社会に浸透していった。

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”食の単一化”が生んだ 食べることの意識の変化

藤原辰史さんが農業史を解説。食の単一化が食べることの意識を変えた、それまでは中小規模の農業経営で身近に食が存在したがアメリカが化学肥料を使って生産量をアップさせヨーロッパに輸出した、テーブルの上の食べ物がどこで生産されたものかわからなくなるのが近代の特徴と話した。

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アメリカフランス
”食の単一化”の限界 人間自身への深刻な影響

メキシコでは今アメリカの大手食品メーカーが販売するコーンスナックが人気で、チリソースなどの加工食品を流した商品として食べられていた。メキシコ政府は食生活の急変に対して警戒を強め、3年前からパッケージへの警告表示を義務付けた。メキシコでは6~11歳の3人に1人が肥満。先進国への輸出が増えるメキシコでは、野菜が一般的な家庭では手が出しづらい高値になっていた。一般家庭では安値で安定している加工食品を食べているため、子どもたちは肥満から抜け出せずにいた。

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メキシコ
”食の単一化”の限界 深刻化する食の格差/超加工食品が健康に与える影響

藤原さんは食は人間の経済状態を如実に表すと話した。専門家は作物を高度に精製して糖分や脂肪を添加することで保存性を高めたカップ麺やシリアルなどの食品を超加工食品と定義している。イギリスの研究では、食品に占める超加工食品の割合が平均8%と平均42%のグループを比較したところ糖尿病の発症リスクは1.84倍に。フランスの調査では、食品に占める超加工食品の割合が平均8%と平均31%のグループを比較したところ心筋梗塞の発症リスクは1.2倍に。西ヨーロッパ10か国の調査では、1日の摂取量が平均176gと平均686gのグループを比較したところ過体重や肥満になる確率が15%上がるという結果も出ている。栄養疫学の佐々木敏さんは、人間は糖質や脂質が豊富な食に対してストッパーをもっていない、どこで歯止めを聞かせるか、どの人たちやどの生物が被害を相対的に多く被るのかを考えていくべきと話した。

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イギリスフランス心筋梗塞糖尿病
持続可能な食のあり方とは 世界的シェフの挑戦

世界のレスランランキング1位に輝いたシェフ・ヴィルヒリオ・マルティネスは、ペルーのアンデス高地で地元農民とともに伝統的な方法で200種近い作物を作っている。種の保存にも取り組み、これまで250種を超える固有の植物や薬草を採取した。工芸品の染色などにも利用し、利益を地域に還元してきた。アンデスの先祖代々の知恵を持ち、環境に負荷をかけず作物を育てるクレト・クシパウカルに出会ってからこの取り組みを始めた。収穫できる作物がない雨季には、トウモロコシやジャガイモの保存食を食べる。ヴィルヒリオは日々、この地の思想を料理で表現している。

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ジャガイモソラマメトウモロコシペルー
食の欲望 80億人の未来は

鈴木は人間が成長していくうえで人類全体の欲と付き合っていくシステムが必要だと話した。藤原さんは日本は世界に先駆けて行ってきた、生産者と消費者を直接結んでグループで共同購入する提携運動も一つの道だと話した。環境システム工学の長谷川さんは作物の生産効率を上げ貿易などで分配するシステムも重要になると話した。佐々木さんは今までのやっていたことから時代に合った次の技術を開発することによって地球を支えられると話した。肥満の問題に向き合うメキシコの小学校では、子どもたちが伝統的な野菜や果物を育てる授業が始まった。

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メキシコ
(エンディング)
エンディング

エンディング映像。

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