- 出演者
- 鈴木亮平 久保田祐佳 山崎直子 河江肖剰 斎藤幸平
オープニング映像。
ヒューマン・エイジ 人間の時代という番組はNHKで2025年にかけて放送する予定の大型シリーズ。記録が残る5000年前から現代まで、人間の歴史をひとまとめにした年表を紹介。この年表を地球誕生まで伸ばすとスタジオから外へ、海を超えて国外、およそ5000km先のエベレスト付近までになるという。スタジオでは人類の進歩のスピードの速さを解説した。
2022年3月17日、アメリカ・フロリダ州でNASAの新型ロケットが発射台に姿を現した。スペースシャトルの3倍以上の積載量を誇る史上最大級のロケットである。NASAは火星進出計画を発表した。2025年には月面基地建設準備に着手し、2040年までに人類を火星に立たせるという。火星の重力は地球の3分の1、気温は夏には30℃、冬には-130℃になる。火星進出には強力なロケットエンジンが必要などの高い壁があった。しかしそれは3Dプリンターによって解決した。
火星への着陸方法も壁となっている。火星の大気は地球の1%しかないため、パラシュートによる空気抵抗だけでは減速が不十分である。そこでロケットを逆噴射して着陸させるという大胆な方法を用いることにしたが、開発は困難を極めたが、2021年5月についに成功させた。
VTRを振り返ってトーク。鈴木亮平は、一番最初に行くとあまりにも危険なため、誰かが行って安定してから行くとコメント。これまでの人類が技術革新を成し遂げた時代などを確認、鈴木亮平はシュメールが大好きだという。およそ30万円前にアフリカで誕生したホモ・サピエンスは様々な道具を使いこなしていた。なぜ人間だけが短期間でここまで進歩出来たのかという謎の鍵を握っているのはネアンデルタール人。
ネアンデルタール人はホモ・サピエンスと同じ祖先から進化しながら、およそ4万年前に姿を消した別の人類である。なぜホモ・サピエンスだけが生き残り進歩を遂げることができたのか、研究者たちは道具の違いに着目した。専門家は、ホモ・サピエンスと同じくらい大きな脳を持ちながら、ネアンデルタール人が技術革新を起こせなかったのは集団の大きさが理由にあるという。集団の大きさと技術革新の間には法則があり、専門家の調査によると集団が大きくなるにつれて生み出す道具の種類が増えている。同じ法則がネアンデルタール人とホモ・サピエンスにも当てはまるという。人間は集団脳をさらに拡大していくコミュニケーション技術を発明した。シュメール文明で生み出されたのがくさび形文字である。その後人類は革新を続け、現代ではインターネットを手に入れ巨大な集団脳が出現した。これによって様々な技術革新のスピードが加速し、その1つが3Dプリンターである。
ゲストの山崎直子と河江肖剰を紹介した。山崎直子は宇宙開発の技術革新について「人間のすごさは想像力をリアルに働かせてきた点」などとコメント。河江肖剰はエジプトの集団脳について「集団のネットワークがうまく機能してピラミッドを建造できた」などとコメント。歴史年表を見ると、どんな文明もある程度続くと必ず終わっていることに着目した。
古代エジプト文明はまだ発見されていない幻の古代都市があると言われてきたが誰も発見できずにいた。ある考古学者が海の中に注目した。最新の機材を使って海底を発掘することにしたという。2年調査を続け、スフィンクスの像や装飾品、巨大建造物などを発見した。研究者たちの注目を集めたのは王妃の像。この像はエジプトとギリシャの二大文明が融合していたことを示しているという。今回、最新の調査結果をもとに、古代都市カノープスの姿をCGで再現した。カノープスが滅んだのは大地震が原因とされてきたが、今回の調査によって地盤沈下が起き続けていたことも原因だったことがわかった。
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- アブキール湾アレクサンドリア大学エジプト
集団が拡大し技術が進歩するほど、崩壊の規模も大きさを増すのではないかと、世界の研究者によって250以上の文明社会を解析するプロジェクトが始められている。世界の人口は2050年には100億人に迫ると予測されている。専門家は、人間がこれまでどんな環境にも適応して生きられる力や高度な技術を生み出してきた一方で、地球上のあらゆる社会や声明を破壊する力も手にしてきたと指摘した。
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- アイスランド大学ジョージ・ブラウン大学
VTRを振り返ってトーク。人間が発展していくためには集団を大きくする必要があるが、集団が大きくなるにつれて滅亡のリスクも高まる。経済思想家の斎藤氏がゲストで登場。斎藤氏によると、多くの科学者たちが気候変動に対して大胆な対策を取らなければ人類は破局的な状況に直面すると警告を鳴らしているという。しかしそうした警告を前に我々は生活を変えていないなどと指摘した。山崎直子は、技術の進歩に私達の社会、倫理観がまだ追いついていない、などと考えを示した。河江肖剰は、歴史から誰も学んでないんじゃないか、などとコメントした。斎藤氏は、地球の限界の中で暮らしていけるような生活スタイルやシステムへの転換が必要だと指摘した。
エンディング映像。