来月の時間外労働の規制強化でさらに注目を集める診療看護師。育成が進む秋田県の現場を取材。潟上市の病院に務める三宅さん。キャリア8年目の看護師だが、医師と同じ医療行為ができる診療看護師だという。医師の指示があれば手術なども代わりに行える看護師として、医師と看護師で作る協議会が認定している。5年以上の看護師経験と大学院2年コース修了が条件。4月から始まる時間外労働の規制強化で、診療看護師の重要度が増しているという。制度が始まってから10年で育成できたのは、全国で700人余り。国家資格ではないため認知度が低く、安全性への理解が進みづらいことや多くの病院で一般の看護師と待遇が変わらないことが課題。国立の大学病院では最も多い診療看護師が勤務する秋田大学。2020年度に認定コースを設け、今は12人の看護師が研修を受けている。課題の待遇面では、診療看護師の給料を一般の看護師の約1割増しに。さらに安全性をより高めようと、昨年度から診療看護師の業務範囲に医師に助言する組織を大学内に設けた。医師の診療看護師に対する理解が進んだことで、研修などで協力を得やすくなり育成しやすい環境にも繋がっているという。秋田県内の病院の中には診療看護師の採用に合わせて、独自の研修プログラムを作るところも出てきて、秋田大学はプログラムの導入を支援しながら診療看護師の勤務先の選択肢を増やしていきたいとしている。