英国・ロンドン・バッキンガム宮殿で開かれた晩餐会に両陛下と国王ご夫妻が出席した。晩餐会には日本と英国の約170人が出席、チャールズ国王はオックスフォード大学で学ばれた両陛下への言葉として日本語で「英国におかえりなさい」とスピーチした。 現在の世界情勢に触れつつチャールズ国王「最も暗い年月」「歴史の教訓」と語り、国王が天皇陛下に送ったガーター勲章にまつわるストーリーも深く関わっている。英国で最も古く位の高い勲章の1つで14世紀に創設された騎士団が由来で勲章を送ることは騎士団の一員に加える意味合いを持つ。勲章に刻まれたモットーは「悪意を抱くものは恥を知れ」。外国に贈るのは基本はキリスト教の国が対象だが日英同盟の締結を期に明治天皇が受章以降、大正天皇、昭和天皇にも贈られてきたがその後剥奪された。当時の英国領に奇襲攻撃を仕掛けた日本は後に英国兵捕虜の強制労働へとつながり禍根を残したが戦争終了後皇太子だった上皇さまがエリザベス女王の戴冠式に参列するなどで関係を再び深めていった。終戦から四半世紀が過ぎた1971年、国賓として招かれた昭和天皇エリザベス女王は騎士団の一員として再び迎えることとしガーター勲章をつけ出席した。このときにはまだ温度差がありエリザベス女王「両国民の関係が常に平和で友好的であったと偽ることはできません。しかしその経験故に二度と同じことが起きてはならないと決意を固くするのです」としてこのスピーチに対し昭和天皇は過去の戦争に言及しなかった。しかし、昭和天皇の訪英が道を開き以後皇室と王室は行き来を繰り返し1998年の訪英で天皇としてガーター勲章を受賞した上皇さまは両国の間の棘となっていた戦争に触れた。戦後80年が近づきつつある2024年、天皇陛下は未来を見据える言葉を発した。