秋篠宮家の佳子さまは、先ほどブラジル・サンパウロにある日本人移民の資料館を訪問された。今年は日本とブラジルの外国関係樹立130周年の節目にあたり、2週間の日程で公式訪問が行われている。佳子さまは訪問初日の午後に、日本館で植樹にのぞまれ、池の錦鯉に餌やりをされる場面も。日本文化の発信拠点として設立されたジャパン・ハウスでは、リサイクル素材でできた組み立て恣意のサッカーボールに実際に触れながら説明を受けられていた。今回の訪問の特徴の一つが、移民の苦労に心を寄せられていること。開拓移住者を悼む開拓戦没者慰霊碑では、深く頭を下げられた。ブラジルに住む日系人は推定約270万人。日系人のために作られたこの慰霊碑は、上皇ご夫妻や天皇陛下も過去に訪問されていた。日本からの移民が始まったのは1908年。当時ブラジルでは奴隷制度が廃止されたことで労働力が不足。日本ではコーヒーの木には金がなるというキャッチコピーで移民が募られ、期待とともに日本を飛び立った移民たちだったが待っていたのは奴隷同然の過酷な労働。マラリアなどの風土病もあった。佳子さまは先程訪れたブラジル日本移民史料館で当時の移民たちの暮らしについて説明を受けながら展示をご覧になっていた。皇室は海外移住した日本人や日系人と長く交流を続けてきていて、1967年に上皇ご夫妻がブラジルを訪問。開拓村を訪れた。その11年後の1978年、上皇ご夫妻が再びブラジルを訪問された際は、競技場で開かれた式典で大熱狂ぶり。日系人ら9万人が集まったと言われている。また2008年に天皇陛下が訪問された際は、感極まった様子で手を握る日系ブラジル人の姿があった。佳子さまも今回の訪問前、移民の歴史などを学ばれたといい、ご進講を行った国立民族学博物館の中牧弘允名誉教授は、熱心のメモを取られて時々質問をされて、などと様子を明かした。佳子さまはルーラ大統領への表敬訪問などが予定され、ブラジルの8都市を周り、17日に帰国されるという。