11月19日のきょうは「世界トイレの日」。発展途上国を中心にトイレが不足している現状などを知ってもらおうと国連が定めた。ユニセフ国連児童基金によると基本的なトイレを使えない人が世界全体で約15億人、実に5人に1人の割合となっている。女性のトイレ不足の問題が特に深刻の一つがパキスタン。パキスタン・カラチの人口は25年で2倍以上に急増。この人口増加に追い付ていないのが公衆トイレの整備。市内では壁の前で用を足す男性の姿が多くみられる。深刻な影響を受けているのが女性たち。カラチ市内の大学に通うアリザアッバスさんは女性用のトイレがないことが女性の社会進出を阻んでいると話す。女性が置かれる劣悪な現状に地元の医師も警鐘を鳴らす。こうした中改善に取り組む動きもある。地元のNGOが設置したのはコンテナを改造した公衆トイレ。男女別に分かれ、洗面台には水や石鹸もある。設置費用は日本円で約150万円、メンテナンスに月4万円ほどかかる。平均月収が2万円あまりのパキスタンでは簡単に準備できる額ではないが、企業からの寄付で費用を賄っている。カラチ市内はまだ2個所だが、将来的にはほかの都市部にも広げていく考え。ユニセフによると、パキスタンでは5歳未満の子供が年間約5万3000人が下痢で命を落としている。その背景には清潔な水やトイレが使えないことで簡単に感染症にかかってしまうことがある。