禁断1:1959年「統一教会日本進出」。おととしの安倍元総理銃撃事件をきっかけに自民党と旧統一教会との深いつながりが明らかになった。その原点はどこにあったのか?。安倍3代と教団の知られざる関係を教団側の現役幹部が語った。2024年9月17日付の朝日新聞が、安倍晋三総理と統一教会・徳野英治会長らが2013年の参院選直前に自民党本部で面会していたことを報じた。この場に同席していた旧統一教会の政治団体「国際勝共連合」・渡邊芳雄副会長は“教団側と自民党の関係性について真実を知ってほしい”と初めて取材に応じた。2013年の参議院選挙において全国比例で特定の候補、北村経夫さんを応援しようという動きになった経緯。その時の安倍総理の反応について。しかし自民党は一貫して教団との組織的な関係はなかったと主張してきたが、渡邊氏は“今まで組織的なつながりを持ったことがないなんて言えないと思いますよ”と述べた。きっかけは今から60年ほど前、山梨・本栖湖の湖畔で統一教会教祖・ムンソンミョン氏と右翼のドンと言われた笹川良一氏がある合意に至った。笹川氏は戦後を代表する政財界のフィクサーで、全国モーターボート競争会連合会の会長でもあった。会場になったボートレーサーの養成施設は今も当時のまま。そこに招かれたムン氏は笹川氏の協力のもと、国際勝共連合の立ち上げを決定。笹川氏がメディアからタブー視されていたこともあり、統一教会との関係は殆ど報じられなかった。旧統一教会の政治団体「国際勝共連合」・渡邊芳雄副会長が教団側と自民党の関係性について初めて取材に応じた。朝鮮半島を分断した戦争の記憶もまだ生々しい時期。1954年、統一教会が韓国で創立された背景には共産党主義勢力への対抗という側面もあった。山梨・本栖湖での会談から遡ること8年、教団は日本に進出。その後すぐ、笹川良一氏(右翼のドンと言われた政財界のフィクサー、全国モーターボート競争会連合会会長)の人脈を介して統一教会・文鮮明氏は反共思想の持ち主、岸信介氏に接近する。以来、娘婿から孫の安倍晋三氏へ。関係はあの銃撃事件によって注目されるまでベールに包まれていた。半世紀余り、三代にわたる政治家一家と統一教会の絆を紐解く。