いまや世界一のEV市場となった中国。中国ブランドが人工知能の活用などいわゆる知能化を進め、存在感を高めている。ドローンで世界トップのDJIが手がけるのが、ライバル製品の数分の1の価格で提供する自動運転システム。ナビで目的地を設定すると、自動運転がスタート。スピード調整、車線変更、ハンドル操作はもちろんすべて自動。通常、一般的な自動運転ではレーザー光を使ったセンサーを使い、車のまわりの障害物を感知している。ただ、これが非常に高価なためDJIはこのセンサーを使わずに車につけた7つのカメラで代用する。さらに、データ処理方法の工夫により車載コンピューターの部品点数を削減。結果としてコストが大幅に抑えられる。低価格の自動運転システムを開発した背景には、中国の急激なEVシフトがある。中国の消費者が車に求めることを聞いた調査(国家情報センターより)でも自動運転は5位の要素に。この数年で急速に需要が高まっている。DJIの自動運転システムは年末までに中国メーカーに加えドイツのフォルクスワーゲンなどの20以上の車種に搭載される予定。さらに、ガソリン車中心の日本メーカーにも熱い視線を送る。