国の予算の使われ方を調べる会計検査院が昨年度の決算報告書をまとめ、「計1400億円余が不適切に支出された」などと指摘した。会計検査院の原田祐平院長は、各省庁や政府出資法人を調べた昨年度の決算検査報告書を高市首相に提出した。「税金がむだに使われた」とか「改善が必要」などと指摘された金額は250件、1445億7000万円余にのぼった。省庁や法人別では、中小企業基盤整備機構が約846億円と最も多く、国土交通省が260億円、厚生労働省が128億円などとなっている。農林水産省が去年、コメ不足による価格高騰を受けて行った備蓄米の放出の際の流通について会計検査院が調べたところ、備蓄米が保管されている倉庫から買い取りを申し込んだ業者に届くまで、平均72.2日、最長310日かかっていたことがわかった。農林水産省は当初、業者に対し8月20日までに米を引き取り、月末までに消費者に販売するよう求めていたが、20日までに業者に届いた米は全体の3分の2にとどまったという。背景については、買い取りを希望した業者数がのべ900近くにのぼり、倉庫から業者への配送の手配やカビのチェックなどに時間がかかったことをあげている。農業政策に詳しい日本大学・西川邦夫教授は、時間がかかった理由について「通常は卸売業者などが担っている役割を国がやらざるを得なくなった」とした上で、「一定規模以上の民間事業者も備蓄を行う『民間備蓄制度』を導入すれば、放出はスムーズになる」と指摘した。
