黒部ダム伝説の難工事(2)「前代未聞!決死の雪上輸送作戦」。資材運搬用のトンネル工事が遅れる中、ダム建設チームもただ待っているだけではなかった。工事責任者の中村精さんは全国から剛力(山の運び屋)を400人集め、道なき道の資材運搬を決行。大型の重機は立山の中腹まで引き上げ、黒部まで雪山を滑り下りる作戦を取った。雪を待つ作業員たちはわずかな保存食で飢えをしのぎ、資材を無事運び入れることに成功した。資材運搬用のトンネルも完成し、1958年6月にダム本体の工事が本格化したが、数多くの問題が持ち上がった。