石川県能登地方を震源とする今月3日の地震では、26の都府県に緊急地震速報が発表されたが、震度4以上の揺れが観測されたのは石川県と新潟県だけだった。気象庁がこの原因を調べたところ、初期の段階では計算に用いないS波と呼ばれる地震波を元に推定していたことが分かった。地震波はP波とS波に大きく分けられる。P波の揺れは小刻みなのに対して、S波は揺れが強いというのが特徴。緊急地震速報は伝わるスピードが速いP波から震源を推定した上で地震の規模などを計算して、そしてその後に来る強い揺れのS波への警戒を呼びかけるというもの。ただ今回は地震計が震源の西側に限られていた上、ほぼ同時刻に同じ場所で地震が連続して起きたため、P波の検知が不安定になって震源がずれ、その影響でP波として扱う範囲にS波が紛れたという。