孝延さんの妻・薫さんは乳がんを発症し、闘病後にがんを克服した。しかしその後再発して全身に転移し、余命半年の宣告を受けた。孝延さんは長男と長女に伝えることができず、子どもたちも聞くことができなかった。犬を飼えば暗くなった家が明るくなるかもと考えた孝延さんは保護犬を引き取って飼うことになり、家に福が来るようにと「福」と名付けられた。福が来たことで家族に会話が生まれ、薫さんの体調も回復していった。余命半年の宣告から2年以上の月日が経ち、薫さんは少しでも長く生きたいと考えるようになった。しかし余命半年宣告の2年2か月後、薫さんは亡くなった。祭壇の前には寄り添う福の姿があった。5年後の現在、福は9歳になった。
