海の上で風の力で電気を生み出す浮体式洋上風力発電。長崎県五島沖で戸田建設が5年前から風車8基を並べて発電するウィンドファーム構想を掲げ、事業を拡大。羽の先から海中にある末端までは全長約170m。五島市の港に整備された建造作業場には巨大風車の部品が並んでいる。水中の浮体部分は鋼とコンクリートで出来ている。地元企業から調達したコンクリートを使いコスト削減に成功。組み立てや運搬などの作業員は県内外から来ており、多い時には約150人にのぼる。国内で事例がないことから計画段階から心配が尽きなかったという。浮体部分は海上で組み立てられる。起き上がり小法師のようにバランスを保ち、台風などで海が荒れても倒れないよう設計されている。風車1基の重さは約3500トン。風車はおもりとチェーンで繋いでいるため流されることはなく、海の中では漁礁としても役立っている。戸田建設は今年5月までに残り2基を設置し、秋頃までに全8基の試運転を始める計画。は設置後もメンテナンスが必要になるが、これを手掛ける会社も五島市にある。風車は設置後もメンテナンスが必要になるが、これを手掛ける会社も五島市にある。2008年に設立されたイー・ウィンド。国内外に4つの拠点をもち、約100基の風車を24時間365日遠隔監視している。イー・ウィンドの社長は地元に根ざした風車メンテナンスの技術者を全国で育成し、サポートしあう体制を構築したいとしている。風車が生み出す電気は1基あたり一般家庭の約1800世帯分。この電気を島内の家庭や事業者に届け、地産地消しようと五島市では地元企業が集まり新たな電力会社も設立。イー・ウィンド社長はこの会社の代表も務めており、五島市民限定で電気代が大手電力会社より最大5%安くするなど地域に還元する取り組みを行っている。来年1月には送電を始める予定。五島市によると最新の洋上風力発電事業における経済波及効果は約40億円と予想される。新たな地域産業モデルとしても注目されている。