今回の物語は、三重県四日市市にある元料亭。明治29年、東洋紡創始者・伊藤伝七の別邸として建築。明治39年から料亭「浜松茂」として使われていたが、後継者不足のため閉館。京都在住の庭師、梅野星歩さんによって2018年元料亭は庭を堪能できるレストランへ生まれ変わった。長い廊下の先にあるのは披露宴などでも使われる広間、そこから見える庭園を京都市文化財マネージャーを務める庭師によって大きく生まれ変わらせた。松の枝下に蹲、水琴窟を設置。地元、鈴鹿山脈で取れた花崗岩を中心に、狭い空間を広く見せるため、竹垣の左端を低く傾けている。登録有形文化財に指定されている「さつきの間」、5月ごろにはさつきが咲き誇る。