今年1月に日本初の月面着陸に成功した探査機「SLIM」。月面の画像を撮影し地球に送っていたが撮影された石の一つに、月の地下奥深くにあったとみられる物質が含まれていることがこの日分かった。これが月の起源を探る手がかりになる。日本初の月面着陸を成功させた「SLIM」だが、降りた場所が大事だった。そこはクレーター近くの斜面で岩石が転がっているところ。あえて着陸が難しい場所を選んだのは月の起源を探るという重大なミッションがあったから。太陽系が誕生したのはおよそ46億年前、宇宙空間のガスやちりが集まって回転を始め、次第に中心部の温度や圧力、密度が高くなって太陽が生まれた。残ったガスやちりも衝突を重ねて大きなかたまりとなり地球などの惑星になったが、月がどうやって生まれたのかははっきりと分かっていない。これまでに大きく4つの説があった。地球が誕生した頃、同じようにしてうまれた双子説。地球の一部が分裂してできた親子説。全く違うところでできた月が地球の引力に捕まった捕獲説。最も有力な説がジャイアントインパクト説。地球が誕生して間もない頃に、火星ほどの大きさの星が衝突したことで出来たという説。その衝撃は地球の奥深くに及びマントルの成分が宇宙に飛び散ったとみられる。そうしたマントルを含む破片が土星の輪のように地球を周回し、やがて、集まって大きな塊となり月が出来たとされる。この説を裏付けるためには、月の内部の物質が地球のマントルと同じ成分であることを確かめる必要がある。その手がかりとなるのがマントルが冷えて固まったカンラン石。同じような石が月面にもあるのか。そこで注目されたのが今回「SLIM」が降り立ったクレーター周辺の石。クレーターは月面に隕石が衝突してできた穴でその周辺には衝撃で月の内部から飛び出した石が飛び散っている。「SLIM」はまさにその石を確認できる近くまで行った。「SLIM」が撮影した石の写真で研究チームは10個の石をマーキングしそれぞれに犬の種類の名前をつけて分析を進めている。ダルメシアンと名付けた石にカンラン石が含まれていることが分かった。
住所: 福島県会津若松市一箕町鶴賀字上居合90
URL: http://www.u-aizu.ac.jp/
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