去年12月、娘が医療事故で亡くなったという家族からの手紙が届く。亡くなった今井杏海さんは当時大学3年生で就職活動を行っていた。事故を起こしたのは都内にある「日本大学医学部附属板橋病院」。年末から発熱や強い喉の痛みが続いていた杏海さんは入院し「伝染性単核球症」と診断される。伝染性単核球症は2~3週間程度で自然軽消するが極稀に深刻な合併症を引き起こすことがある。退院予定日に39度の熱が出て退院の延期を求めたがかなわず、絶対に大丈夫かと聞くと「はい」としか答えず、帰宅するも激しい腹痛に嘔吐に襲われる。しかし受け入れてもらえず4日後に再入院するも重篤となっていた。その時の病院側の説明は特殊な症例で、検討会は立ち上げてやらなければならないなどの説明。その10日後に亡くなった。そして医療事故調査制度に基づいて調査をすると説明を受けるがその後調査を開始したという連絡はないという。この制度では遺族に対して調査進捗を伝える義務はなく、病院の裁量に任されている。病院側は取材に対して調査を進めていると回答した。