池田さんは「動きの最初と最後だけ描いて後はAIが繋いでくれるんですね」と言うと、伊藤さんは「今回はストーリーを作ったりという大元のところではなく、細かいアシストという意味でのAI活用でした。倉田よしみさんは現在70歳ということもあり、漫画を描くスピードなども落ちているということもあり、『AIは自分専用のタイムマシン。描けば10年はかかるであろう想像の中にある漫画を瞬時に目の前に出してくれた。漫画を描くのがいままで以上に楽しくなりました』と話しています」などと話した。こうした可能性を見出しているのは倉田さんだけではない。今年第一線から退いた「キャプテン翼」の作者・高橋陽一さんは「将来、AI技術がより発達すれば、自分のネームをもとに高橋陽一の画風で『キャプテン翼』を世に送り出すことも可能ではないか」と話す。一方、アニメ制作の現場では人手不足という課題がある。業界関係者によると、30分のアニメ1つあたり3,500~4,000枚の絵を描く必要があるという。さらにその1枚を完成させるのに数時間かかることもあるという。そのため少人数で制作を続けるためには生成AIが欠かせないものとなってくる。