創業300年を超える卸売業者をたずねると、新米が入ってくる時期にも関わらずあえて在庫を減らしていた。金沢米穀販売の金澤富夫代表は「高いうちに買っていつまでも持っていると、タイムリーに値下げもできなくなる」などと語った。実は今高すぎる新米の売れ行きが落ち、最近になって仕入れ値が5%ほど下落しているという。集荷業者からは「新米を買ってほしい」との依頼が相次いでいるといい、金澤代表は「数量的には潤沢で、供給過剰になる可能性がある」などと指摘した。“コメ余り”で価格下落の兆候も見える中、新たに就任した鈴木農水相は政府がコメ価格には関与しない考えを強調する一方、「需給のバランスが崩れれば一気にコメの価格が下がる可能性がある」と石破政権が掲げた増産方針を一転させ、来年は減産する方針を表明した。この方針に金澤代表は「今まで需要を政府は見誤っていた。増産に舵を切らないと、またいつ米騒動が来るかわからない」などと語った。コメの増産や生産コスト削減のため大規模化を進めてきた三橋農園の三橋国郎代表は、今回政府が減産方針へ転換したことについて「価格の低迷を防ぐため、一時的措置としては賛成」だとした。一方で消費者に受け入れられる価格でコメを作り続けられるのか、不安があるという。鈴木大臣も「中長期的には増産トレンドを作りたい」と述べているが、そのためには生産調整だけではなく持続可能なコメ作りの戦略が求められる。
