医師の働き方改革が本格的に変わる。対象は勤務医で、時間外労働の上限が年960時間となった。一月あたりに換算すると80時間となるが過労死ラインにあたる。2022年の厚生労働省の調査によると、960時間を超えている医師が21.2％にも及んだ。勤務医に自身の健康状態を聞くと半数以上が「健康に不安がある」と答え、20代医師では14％が「日常的に死や自殺を考えている」と答えている。
同じ医療を受け続ける場合人数を増やす必要があるが、減らそうという動きもある。ただ地域によっては深刻な医師不足で、働き方改革が直撃すると考えられる。そのため、地域医療に携わる医師などについて、2035年度まで、時間外労働の上限が年間1860時間という特例が設けられた。また宿日直が許可されるが、長時間労働の隠れ蓑になるとの指摘もある。
勤務医は過重労働は問題としながらも、不安に思うこと懸念していることとして、29.1％の人が「医療の質が低下」をあげている。医師が足りない場合は大学病院から医師を派遣してもらって補っているが、大学病院が派遣先から医師を引き下げると医師不足となり、大学病院側も研究に手が回らない可能性もある。医療を守るためには＃7119へ相談を。