八王子市は学園都市だ。駅前には学習塾の看板も多い。八王子つばめ塾の費用は、全国からの支援や寄付で成り立つ。他の有料塾に通っていない、家庭が経済的に苦しい、勉強へのやる気があるということが入塾の条件。大学生から社会人まで19人が協力。講師料も交通費も出ない。11年前に小宮さんが立ち上げた塾。八王子の団地で育った。教員免許を取得し、非常勤講師となった。東日本大震災が転機となった。あるホームページを目にした。無料学習塾のページだった。2012年にスタート。少しづつ規模を大きくした。またボランティアとして戻ってきてほしいという思いでつばめ塾と名づけた。小宮さんは3人の子どもの父。週に4日は別の場所で仕事をする。市内の学校の非常勤講師もしている。小宮さんの妻もパートで生活を支えた。フードバンクでお米をいただく。生徒たちに食料支援を行っている。小分けにして家庭にわけるという。経済状況は、子どもたちの勉強に影響する。えみさんは、11年前に母が難病となった。塾から定期的にお米やパスタがもらえた。この春、臨床検査技師になった。母の体調も回復した。小宮さんたちは、えみさんの就職祝いをした。これまでにつばめ塾を巣立った生徒は300人を超えた。小宮さんは教室の数を増やした。東京と神奈川で10教室。全国各地から無料塾を開きたいという人が相談にくる。つばめ塾のイベントの日がやってきた。