福岡市城南区・内田こどもクリニックでは、医療事務の職員を募集しているが、求人を出しても応募がない状況が半年ほど続いている。これまでは人材派遣会社を通じて採用していたが、すぐに辞めたり急に来なくなったりしたケースもあったという。新たな採用手段として期待しているのが、先月30日から福岡市医師会が始めた求人マッチングサービス「for‐us」。サイトに掲示された診療科目や勤務時間、福利厚生など条件を確認。採用のミスマッチを防ぐため、詳細な希望条件をお互いに提示する仕組み。「for−us」担当・富田健太さんは「医療機関も求職者もどちらも希望条件で検索できたり、マッチングできるという点が一番大きな特徴です」と話す。福岡市医師会のアンケート調査によると、医療従事者が「不足」していると答えた会員の医療機関は全体の44％に上る。医療機関は無料で求人情報の掲載が可能、採用にかかる費用を大幅に削減。福岡市に住む30代の看護師の女性は、現在3歳と0歳の子供の育児に追われている。来年4月に子供を保育園に預ける予定で、働ける時間帯や待遇面など条件に合う医療機関を探している。福岡市医師会の求人マッチングサービスは、医療機関側と直接やり取りできるのが魅力的だと話す。コロナ禍の影響もあり、人手不足がより深刻となっている医療現場。新しく始まったサービスが人手不足を解消する一助となるかもしれない。